昔から、そう言われるのは慣れていた。慣れていたが、赤の他人の前でそう呼ばれるのは好きではなかった。


「あぁ、分かった分かった!お前の気の済むまでそばにいやがれ!」  

 君はまた他人の前でそう呼ぶ。

「高明!!」  

 微かに眉を潜める。

「孔明!?」

「あぁ、申し遅れました」

「姓は諸伏、名は高明・・・あだ名は、音読みでコウメイ・・・以後・・・お見知りおきを」  

 君は、後ろでシレッとした顔をしているだろう。私は、いつもこの瞬間が嫌いだ。他人にいつも誤解を解かねばいけない。

「…」  



 だが、君にコウメイと呼ばれるのは、嫌いではない。






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