星々が光輝く漆黒の夜空。
聖地に置いては天候が悪くなるなんて事はないが、女王の気分によっては猛暑になったり梅雨になったり大雪になったりと、天候に偏りがある。
これも女王のストレス発散だと思えば、被害を受けるこっちの身としては、何とも言えない。そんな女王のストレス発散周期だった一週間。
聖地では雪が降り、子供達は雪だ雪だと喜び庭駆け回り、大人達はコタツで丸くなっていた一週間。
そんな真冬日が一週間続いた7日目の夜。女王があきたらしく、明日からは正常の天候となるのを女王補佐官から聞いた守護聖達は、ホッと胸を撫で下ろし、次にドッと一週間の疲れがきた。
いかに聖地生活がものすごく恵まれているのかを思い知らされる一時だが、もう一方では女王にならべくストレスを与えないようにと思わされる時でもある。そんなストレス発散周期が終わった夜。地の守護聖 ルヴァが炎の守護聖 オスカーの私邸のバルコニーで夜空を見上げていた。




「…」

はぁっと息を吐けば息が白くなり、くっきりと分かる。

「まだ寒いだろ?」

オスカーが窓に寄り掛かりながらこちらの方を見ていた。

「朝と比べたら格段と違いますよ」

そう言いながらも、くしゅんとくしゃみをした。
元から寒がりなルヴァにしてみれば、外の気温はまだ寒い方だ。それでも寒くないと言い張るのは、前にオスカーに寒がりでいじられた事があるからだ。

「そんなんで意地を張られても困るな」

オスカーのトレードマークの長いマントを風に遊ばせながら、ルヴァの隣へと行き、大きくマントを翻させるとルヴァを包み込む様にして抱き寄せた。

「オスカー!誰か見てたらどうするんですか!?」

「見せ付けてやればいいさ、俺との仲を…」

そう言い、ルヴァの唇を奪う。

「…っ!!オスカー!」

バッと離れようとしたが、ルヴァとオスカーでは体格差がある。
インドア派のルヴァとアウトドア派のオスカーでは、分かりきっている事でもある。それども抵抗をやめない。
パコパコとオスカーを叩き始めた。

「ルヴァ、分かったから一回落ち着けって!」

流石に何回も同じ所をパコパコと叩かれたら痛い。

「…」

叩く手を一旦止める。

「ルヴァ…笑ってくれよ」

「…」

ルヴァの頬に手を添えて顔を上げさせる。

「俺は、お前が笑っている顔が好きなんだ」

「…オスカー」

小さく、オスカーへと微笑む。今まで抵抗していたのを止め、オスカーの胸へと体を寄せた。

「…ルヴァ」

「寒いです」

オスカーの服をギュッと掴む。

「…寒い、です」

「…フ、だから意地を張るなと言ったろ」

もう一度マントでルヴァを包み込んだ。
今度は、外から見てもルヴァが見えないようにとオスカーが配慮した。

「ルヴァ、笑ってくれ。お前の笑顔が見たいんだ」

「オスカー…」

一筋の涙を流しながらオスカーに微笑んだ。


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