首に手をかけ、力をいれてしめた。相手は、苦しみながら、うっすらと目を開けた。

「―ぁ…」

 何かを言っている。

「ぁなたに…ころ…されるなら……ほん……もぅだ」

 手から力が抜けていく。

「けっほ…けっほ…っ」

 その場から逃げた。

 残されたのは一人だけ。

「…土方君」


 苦しみを

        貴方を縛れる苦しみを

                         貴方が忘れぬ苦しみを




 元治2年2月23日
 新選組総長
 山南 敬助 切腹
 享年33歳
 介錯
 沖田 総司


「山南さんよ…」



 ―刻んでやるよ…俺の名を…あんたの名を……新選組を



 声に刻みしは、人殺し


                名に刻みしは、鬼


                             胸に刻みしは、友殺し


                                             命に刻みしは、償い



 慶応3年(1867年)11月。
 箱館の弁天台場にて、新選組の歴史は幕を閉じた。





刻む。