「芹沢を殺る」
「土方君…」
「会津の殿様もそれをお望みだ」
「そうだが…」
「山南さん、殺らなきゃいけない時もある。それが今だ。このまま芹沢が居たんじゃ先は見えている」
「…」
「行動を起こすには、それに合った時期というのがある。芹沢を殺る時期は今しかない。
この時期を逃せばもう無いと俺は思っている。それに、殺らなきゃ殺られるぜ…あっちだって気付いているはずだ」
「……分かりました。一つだけ、良いですか?」
「なんだ?」
「この決断に後悔はありませんね?」
「ない」
「そうですか…なら、私もお手伝いします」
「山南さん…」
「貴方ばかりに重荷は背負わせれませんよ…何のために副長が二人いると思っているんですか」
「分かった…すまねぇな」
「謝るなんて、貴方らしくありませんよ。土方君、見て下さい。
今日の月は綺麗だ」
――在り増す月夜