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空はいつもと変わらない晴天。
3日前から降っていた長雨が嘘のように空は晴れ、雲はゆっくり流れ、風が心地よい。
そんな久々の晴天に喜ぶのは、町人も役人も皆一緒だ。新撰組も例外ではない。
そんな日の屯所。
「あぁーー!!晴れだ!!!」
一番隊 隊長の沖田 総司が庭に出て叫んでいた。
長雨で一番暇していたのは沖田だ。何だかんだ言ってもまだ子供である。道場くらいでしか体を動かせないのは窮屈で仕方がなかった。
「久々に太陽の日差しを浴びるのは気持ち良いですか?」
後ろの方から聞き覚えのある声がしたので振り返ってみると
「山南さんもどうですか?じめじめしていた気分が一掃されますよ」
書類を何枚か抱えた山南がいた。
「やりたいのはやまやまなんですが、土方君と話しがありので、またの機会とします」
「土方さんなんて待たせとけばいいんですよ!」
そう言うと、沖田は山南に近付き、無理矢理庭へと引っ張った。
無理矢理引っ張られたものだから、危うく書類を落としそうになったのをどうにか踏ん張った。今落としてしまうと、せっかく徹夜して書いた書類が泥だらけになって水の泡となってしまう。書類は落とさなかった変わりに、足袋が泥だらけになってしまった。
あぁ…上がる時に脱がなくては。
そんな事を思ってしまう。
「どうです?気持ち良いでしょ!」
徹夜明けにとっては太陽の光はちょっと眩し過ぎたが、眠気は吹っ飛んだらしい。
「えぇ、気持ち良いもんです…」
ふと、沖田の方を見た。
身長は沖田の方が草履2枚分くらいの小さな差しかない。小さな差なのに、何故か大きい差に見えるのは何故だろうか?
「沖田君の髪は綺麗だね」
沖田の髪は、ちょっと色素が薄いせいか水色ぽい白髪である。完璧に白ではなく、ほのかに水色が目立っていて、光にあたれば水晶の如く水色が際立つ。
「山南さんの方が綺麗だよ!!僕と違って髪の毛は纏まってるし、一本一本が綺麗に真っ直ぐ延びてるから、触りごごちもふわふわして気持ち良さそうだし櫛だって簡単に通りそうだし…土方さんがたまに触っているのを見ると羨ましくて…ぁ」
目と目が合った。
合った瞬間、沖田の顔がぶわぁっと真っ赤になった。
「君も土方君と同じ事を言う」
「うぇ!?」
あたふたと両手を前後左右に振っていた沖田の動きが止まった。
「土方君も同じ事を言ってました。俺よりも、あんたの方が綺麗だって」
「…」
前からそうだった。
山南さんは土方さんの話しをしている時は嬉しそうに話す。
自分の蘊蓄話しをする時よりも……嬉しそうに…。
「触っても良いか?何てのも言ってきました。…どうかしましたか?」
首を少し横に傾げさせて顔を覗き込む。太陽の光が眩しい。
「山南さんの方が…」
沖田が真っ直ぐに山南の顔を見る。山南が綺麗だと言っているみずいろの髪が揺れ動く。沖田の純粋な眼差しが山南には酷く眩しく見えた。
「山南さんの方が綺麗です」

みずいろ。
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