「土方君は本当に赤が好きなんですね」

 土方の刀緒を見て染々と思う山南。

 刀緒が赤なら面紐も赤。髪を結う紐も赤で、趣味の俳句の俳句帳も赤。赤だからって嫌な訳ではない。
 似合うから嫌なのだ。

「それがなんかしたか?」

 土方が胡座をかきながら山南へと問い返す。
 別に好んで赤を使っている訳ではない。好いた女達が赤が似合うと言って勝手に買って来る。
 嫌いな色でもないから使っている。

 ただそれだけだ。

「いえ、別に」

「…」

 土方がじっと山南を見る。

「何か…しましたから?」

 いぶかしんだ顔をしながら自分の顔をじっと見てくる土方を見る。

 赤みがかった黒目が一直線に自分へと注がれていると思うと、おどけてしまう。

「あんたの髪・・・綺麗だな・・・触ってもいいか?」

 山南が笑っていいですよ、と答えた。





あかいろ。