「伊東先生」

「何ですか?斎藤君」

 何時ものように微笑みかける。


 ―ぁ…この人は“あの人”と同じだ。


「付いて行ってもよろしいですか?」

「別に構いませんよ」

 斎藤が追い付くまで待つ。肩を揃えて歩き始める。

「やはり、斎藤君の方が背が高い」

 口元に手を当ててクスリと笑う。


 ―あぁ…言う事も動作も一緒だ。


「それに、君の方が綺麗だ」


 ―こういう所は“あの人”はとは違う場所。


 伊東の耳元へと近づいてこう言った。

「貴方の方がよっぽど綺麗で可憐だ」

「さ―」

 喋られる前に口を吸った。

「うぅん!!」

 急だったので伊東はされるがままだった。

「貴方を守りたい」

 伊東を離した斎藤の第一声。

「もう…大切な人は失ないたくない」


 斎藤の切なる思いだった。





思い。