「好きだ」

「……」

「好きだ」

「……土方くん」

「好きだ、あんたが」

「土方くん! 分かりましたから、繰り返して言わないで下さいっ!」

「いいだろ、別に。言いたくて言ってるだけなんだから」


 ここ数日の間、山南は悩まされていた。 
 二人っきりになったと同時に後ろから抱きかかえられて、「好きだ」と繰り返してくる土方の存在に。 
 同じような言い合いが、ずっと繰り返されている。 
 一体、どうして彼がこういう事を毎日のように伝えてくるようになったのか検討もつかない。
 嬉しい事には嬉しい。けど、言われ続けるのは困りものだ。
 そして、一通り伝え終わると聞いてくる事があった。

「あんたは、どうなんだ?」  

 ここで聞かないで欲しいと思う。
 伝えてくれているのだから、それに返すのは道理と思いがちだが、簡単に言える程の神経を持ち合わせてはいなかった。 
 言わなくても分かっているはずなのに聞きたがる。 
 数日の間、こう聞かれても答えずにいた。答えずに居ると、土方はただ、離さないとばかりに抱き締める力を強くしてくるだけだったから。
 でも、さすがに言わない日が続くのも申し訳ないと山南は考えている。
 伝える言葉は既に決まっているのだから、口に出せばいいだけなのだから簡単なのだが、いざとなれば口から出てこない。
 だからこそ、一つ考えたのだ。困らないようにする為の方法を。

「これをどうぞ」

「……これは?」

「中を見れば分かります。私はこれで失礼しますよ」

 土方の手に握らせるように渡したのは、一枚の文。
 それで腕の力が緩まったのを確認すると、中身を知っている…というよりも書いた本人である山南は恥ずかしさ故か口早にそう言うと出来るだけ平静を保ちつつも、部屋から出て行く。 
 呼び止める隙もない程に出て行ってしまったので、残ったのは土方と渡された文だけになってしまった。

「山南さんが書いた文…? 一体、何なんだ?」

 中身を見れば分かる。
 山南の言葉には確かに一理あったので、四つ折にされている文を開く。
 中に書かれていた文字は至ってシンプル。特に飾られていない、でも、土方が聞きたかった言葉だった。
 僅かに頬を赤らめると、「やってくれる…」と呟いた事は本人ぐらいしか知らないだろう、多分。


 ― 後日談 ―


「なぁ、これを口に出して言ってくれねぇか?」

「それで十分でしょう!」

「貰うのもいいが、言われるのもまたいい」

「貴方の考えは聞いてません!」

 今度は別の言い合いを始めた事を知っているのは、彼らの関係を知る者だけだろう。
 そして、土方がいつもその文を持ち歩くようになったのを知っているのはほんの限られた人数だけ。



あとがき。
+ + + +
書いた事がない二人だし、どういう内容が良かったのかも分からなかったし…
返品可。苦情、感想不可。消去可。……かなぁ、うん。
満足してもしてなくても、僕にはこれ以上の作品は無理です。

――――
うっひょぉーww
ご要望に答えてくれてどうもです!
文持ち歩くとか・・・土方さんも乙女だぁー(笑





大好きだよ。