「・・・」
隊長室へと戻ると、そこには後藤がいなかった。
ちょっと後藤へと聞きたい事があったのに、目的の人がいない。仕方なく、後藤を探すために第二小隊の部屋へと行った。
「あら?」
いっつも騒々しい第二小隊が今日は静かだ。そりゃそうだ、部屋には誰もいないのだから。
「どこ行っちゃったのかしら?」
別に出動命令もない。
買出しに行くような事もない。
ならばどこに行った?
「おぅ、南雲さん。こんな所で何してんだい?」
整備の榊がちょうど通りかかった。
「あ、榊さん。後藤さん、見なかった?」
「あっち」
と、親指でクイっと指した方は、第二小隊が精魂ためて育てている畑がある方だった。
「総出で草刈中だとさ」
「あぁ・・・そうだったの」
晴れ晴れとした太陽の下。第二小隊の一員は、総出で草刈大会の真っ最中だ。
「隊長ぉ〜〜暑いでぇーす」
草が生い茂る中からザっと立ってピっと手をあげたのは、遊馬だった。
ぼぅぼぅに生い茂った草は遊馬達の膝くらいまで伸びていた。
中腰になりながらえっさほいさと草刈に勤しむ事早2時間。
炎天下の中での草刈は暑い。
いくら半袖短パン麦藁帽を着ようと被ろうと、暑いものは暑い。
今日の最高気温は30度、昼真っ盛りのこの時間。
30度以上あるんじゃねぇーかと思うほどに暑い。
「そうか?俺は暑くないぞー」
「それは、隊長が一人だけでアイスを食べているからです!!!!!!」
突っ込みを入れたのは遊馬の隣にいた野明だった。
「・・・食べたい?」
うんな事聞かなくても分かっているだろ!!
と、叫びたくなったが、そこは大人?どうにか堪えた。
「隊長、ここら辺で少し休憩を取ったらどうでしょう?」
後藤にそう提案したのは、委員長こと、熊耳武緒だった。
「そだね・・・なら、1時間休憩。冷蔵庫にアイス入ってるから、好きに食べなさいや。1時間後にはここに集合して草刈開始ね」
「「了解しました!!」」
威勢の良い返事を返すと、第二小隊のメンバーは駆け足で日陰へと避難した。
先ほどまでばてていたのが嘘の様だ。
「本当、後藤さん所って学校みたいね・・・」
「うーん・・・そう?」
生い茂る草の向こうから来たのは南雲だった。
「貴方が先生で熊耳巡査部長が委員長かしら?」
「俺が先生なら、反面教師になっちゃうよ」
「・・・ップ」
後藤の言いに思わず笑ってしまう。
確かに、後藤が先生で熊耳が委員長だと先生よりも委員長の方がしっかりしている用に見えるから、先生が反面教師に見えてしまう。
「ま、別にいいけど。うんで、俺に何か用あるんでしょ?」
「そうそう、これのことなんだけど・・・」
今日も特車2課は平和だ。

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