あの日の事を思い出した。あの人は私に向かって「待ってるから」そう言ってくれた。

 私はその言葉を聞いて……涙が出そうになった。

 あの人は……本当に待っていてくれているのだろうか………少し不安がある…だけど、


『あの人は居てくれる』


 と、私の心がそう言っている。

 勇気を持って……最初の一歩を踏み出してみようと…私は思った。

 私は今、想い出が沢山あるあの場所に立っている…そして、私の目の前には…あの人が居る。






「お帰り」

 あの人は昔と変わらない表情で私にそう言った。


「……ただいま」


 私は、泣きそうな顔をして言った。





 私の新しい世界への……最初の一歩を。






 貴方と踏み出したい。







ごとしのお題.52 『待っているから』