「白雨!」

 小笠原が、飼い猫の白雨を探していた。
 朝から騒がしい。


 この前、小笠原が拾って来た白猫の白雨。
 蛮社改所の奇士達にも慣れてきた今日この頃。
 小笠原は朝から白雨を探していた。

「白雨ならここにいますよ。」

 縁側にいた竜導 往壓が、右手に噛み付いている白雨をヒラヒラと振ってみせた。
 なぜか知らないが、奇士の中で竜導だけが白雨に気にいられていないらしい。
 合うたびにこうして、竜導のどこかしこに噛み付いては離れない。懐いているというけではない、他の奇士にはこんな事はしない、竜導だけにやる行動なのだ。

「また噛み付かれていたのか、竜導だけだぞ、そういう風に噛みつかれるのは」

 他の奇士達には、足に近付いて顔を擦りつけてスキンシップをはかる。
 宰蔵や江戸元は可愛いと言って、よく可愛がる。
 アビは白雨ののみ取りなど、毛ずくろいをやったりして可愛がっている。何かと奇士達に甘やかされている白雨。
 宰蔵、江戸元、アビには懐いているのに、なぜか竜導には懐かない、小笠原もこればかりはどうしようも出来ないので白雨の好きなようにさせていた。

「案外、お前みたいな奴には懐かないのかもしれないな」

「別にいいですよ、猫に懐かれなくても」

 あんただけいればね。

「?なんか言ったか?」

「いいや、別に」

 白雨の噛む力がました……ような気がする。




白雨-竜導。





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