雪が降ってきた。

 初雪だ。

 吐く息もいつの間にか白くなっていた。

 空を見上げる。

 無数の雪が永遠と降ってくる。

 周りにいる町人は、いそいそと家路に着いている。

 一人止まり、空を見上げる。

 ポタポタと、雪が顔に落ちては、消えていく。

 残るのは、冷たさだけ。

 ふと、声を掛けられた。

 振り向いてみれば、知った顔だった。

 風邪を引きたいのか?

 いの一番に言われた。

 羽織っていた羽織りを頭に掛けた。

 お前が風邪を引いてしまう。

 そう言ったが、相手は。

 あんたが引くよりはましだ。

 と、言われた。

 お互い、風邪を引く前にさっさと帰ろう。

 そう言うと、二人は並んで冬空の下、歩いていった。




降雪。